同級生
1992年12月17日にエルフから発売されたPC用の恋愛アドベンチャーゲームです。
もともとは、18禁のアダルトソフトでした。
複数のヒロイン達がそれぞれ個別にシナリオを持っているので、主人公は街中を自由に移動してキャラを探し、狙っているヒロインの好感度を高めて意中のヒロインのルートにもっていきます。
物語は、夏休みの前半をナンパの資金目的のためにバイトに明け暮れていた主人公が、8月10日から8月31日までの間に街や学園をナンパして一夏の体験をするというものです。
各ヒロインは各々でコンプレックスや悩みをもっていて、主人公が関わっていくことで心を開いていくという青春ドラマが描かれています。
しかしながら、全ヒロイン14人中9人が主人公より年上なので、企画段階の仮タイトルは『同級生』ではなくて『卒業』だったそうです。
2Dのフィールド見下ろし型RPGのような町内マップを、自由に移動しながら女性にナンパするように声を掛けるといった感じでゲームを進めていきます。
時間の概念があり、建物などに入ったりイベントが発生することでゲーム内の時間が経過していき、キャラクターとの出会いやイベントは特定の時間帯でないと発生しません。
それまでのアダルトゲームといえば、とかく性描写がメインでしたが、本作は複数のヒロインとの恋愛物語をなぞりながら関係を深めていく恋愛ゲームのシステムと、また竹井正樹氏によるキャラクターデザインおよび原画もクオリティが高く、非常にゲームにマッチしていてPC向けアダルトゲーム史上初の10万本を超えるヒット作となっています。
移動による時間の概念もあり、特定のイベントは狙った時間帯に発生させないといけないので、意外と頭を使わずにゲームを進めるのは難しいです。
ただ、能力アップや難しい選択がないので、純粋にストーリーを楽しめるゲームです。
1994年5月にコナミから発売された恋愛シミュレーションゲームの『ときめきメモリアル』がヒットして恋愛ゲームの需要が高まり、一気に恋愛ゲーム市場ににスポットが当たるようになってきました。
家庭用ゲーム機へも移植されており、1995年11月23日にPCエンジンCDROM版が、1996年8月9日には『同級生if』のタイトルでセガサターン(SS)版がヒロインが追加されて発売されています。
私はPCエンジン版と98版の両方をプレイしましたけど、どちらも完成度は高かったです。
CDロム版は声が、PC版は完全なバストアップありのシーンがあります。
家庭用ゲーム機への移植にあたり、一部の過激なシーンはカットされています。
1999年8月27日にはWindows版が各種リメイクの上発売され、2007年3月1日には、内容をPC98版『同級生』の内容に戻したWindows2000/XP対応の『同級生オリジナル版』がDMM公式サイトからダウンロード販売形式で発売されています。
同シリーズとして、
■同級生
■同級生2
と、その派生シリーズである
■下級生
■下級生2
が存在します。
恋愛ゲーム創成期の作品ながら、何度も移植・リメイクされている名作です。